法曹コースとは
法曹コースは、3年(または4年)で名古屋大学法学部(以下「名大法学部」)を卒業し、法科大学院の既修者コース(2年コース)に進学するための、法学部のコースのことをいいます。
早期(3年)卒業の要件を満たせば、3年で法学部を卒業して、法科大学院に進学することができます。
そして、2023年度から導入された法科大学院在学中司法試験受験制度の下では、法科大学院の既修者コースの2年次の7月に司法試験を受験することができ、それに合格した場合には、法科大学院の修了とほぼ同時に司法修習に行くことができます。
この最短ルートで行けば、司法修習に辿り着くまでが5年(法学部3年+法科大学院2年)で済むということで、この過程を「5年一貫型教育」や「3+2」と呼んだりします。
法曹コースは、学生がそれを選択すれば3年で名大法学部を卒業できる唯一のコースです。
なお、名大法学部法曹コースは法科大学院進学のためのコースとして設置されており、同コースを3年で修了して法学部を卒業する者が(法科大学院に進学せずに)就職するようには設計されていません(下記のとおり、早期卒業の要件には、法科大学院の既修者コースの入学試験に合格していることも含まれます)。
※法曹コースを4年で修了して名大法学部を卒業する場合の進路には特に制限はありません(もちろん、法科大学院の入学試験を受ける際に、法曹コース出身者を対象とする特別選抜入試を受験できるというメリットがありますので、その分だけ法科大学院に進学しやすい立場に置かれているということは言えます)。
法曹コースを選択するには
名大法学部の法曹コースの募集人員は、目安として1学年20人ですが、上限はありません。このコースは、2年次~4年次在学生向けのコースです。まず、1年次の12月ごろに法曹コース登録届を提出してこのコースに在籍することを選択できます。ただ、2年次から実際に法曹コースに在籍するためには、1年次の終了時に最低36単位を修得していなければなりません(その他の要件はありません)。法曹コースの選択については、撤回が可能ですが、いったん撤回した後に再度選択することはできません。また、2年次以降に法曹コースを選択することもできません。
法曹コースの必修科目
法曹コースの必修科目は、憲法I・II、行政法I・II、民法I〜V、民事訴訟法、商法I(2023年度以降入学者)・II、刑法I・II、刑事訴訟法、特殊講義(法曹養成演習I~IV)です。
法曹コースの早期卒業要件と法曹コースの修了認定要件
3年で法曹コースを修了して名大法学部を卒業(早期卒業)するには、(1) 3年次の終了時までに一般的な卒業単位(124単位)を修得していること、(2) 法曹コースの必修科目の単位をすべて修得し、そのGPAが2.5以上であること(GPAは、A+を4.3、Aを3.3、Bを2、Cを1.3、C-を0.8として必修科目総単位数をベースに計算します)、(3)法科大学院(全国どこの法科大学院であっても構いません)に法学既修者として入学が認められていること、の三つの要件をすべて満たす必要があります。
早期卒業をしなかった場合でも、(1)一般的な卒業単位(124単位)を修得していること、(2)法曹コースの必修科目の単位をすべて修得し、そのGPAが2.0以上であること、の二つの要件を満たせば、4年で法曹コースを修了して名大法学部を卒業することができます。
なお、単位修得が順調にいかない、GPAが足りないなどのため法曹コースの修了要件を満たさない場合でも、一般的な卒業単位(124単位)を修得していれば、名大法学部を4年で卒業することはもちろん可能です。
名大法学部法曹コースと名大法科大学院
名大法学部法曹コースの修了者は、上記のとおり、法科大学院既修者コースに進学することが想定されています。この場合、法曹コースを修了して進学することになる既修者コースは、全国どこの法科大学院のものでも構わないわけですが、その一方で、名大法学部と名大法科大学院は「法曹養成連携協定」を締結し、体系的一貫的教育課程を編成しています。
同協定に基づき、名大法学部の法曹コース出身者(翌年3月に同コースを修了して名大法学部を卒業する見込みの者。3年次で修了する人も4年次で修了する人も含みます。以下同じ)は、名大法科大学院の特別選抜(5年一貫型教育選抜)入試を受験することができます。また、2024年度実施(2025年度入学者向け)入試からは、もう一つの特別選抜入試として「開放型選抜」も実施される予定であり、それも受験することができます(ただし、「開放型」という名前がついていることからも分かるように、これは全国の法曹コース出身者が受験することができる試験です)。
さらに、上記協定に基づき、名大法科大学院入学後に、一定の科目についての履修免除を申請することができる場合もあります(詳しいことは法曹コースのガイダンスでの説明等を参考にしてください)。
名大法学部法曹コースから名大法科大学院へ(入試制度の説明)
名大法学部法曹コースから名大法科大学院へ進学するには、名大法科大学院の特別選抜(5年一貫型教育選抜または開放型選抜)入試か、一般選抜入試を受ける必要があります。
特別選抜(5年一貫型教育選抜)入試は、いわば推薦入試に相当するものです。募集人員10名で、法曹コース必修科目の成績の評価、志望理由書等の書類審査、口述試験(面接)の結果を総合して合否が決められます。
特別選抜(開放型選抜)入試は、募集人員6名で、志望理由書等の書類審査(学業成績の評価も含まれます)に加え、一般選抜と同じ筆記試験(法律科目試験)があり、それらの結果を総合して合否が決められます。
一般選抜入試は、通常の入試です。志望理由書等の書類審査(学業成績の評価も含まれます)のほか、筆記試験があります。なお、一般選抜入試のルートによる場合は、3年で法曹コースを修了し名大法学部を早期卒業するためには、「既修者コース」に出願し、合格することが必要です。
なお、名大法学部法曹コースの必修科目のうち、訴訟法及び特殊講義を除く科目についてCやC-を取ると、特別選抜(5年一貫型教育選抜)に合格して名大法科大学院の既修者コースに進学した場合には、それらに対応する名大法科大学院未修者1年次配当法律基本科目(基礎科目)を進学後に履修しなければなりません(実質的な再履修です)ので、注意してください。
法曹コース説明会等
1年次生向けに、9月から12月にかけて、複数回、法曹コース説明会が開催されます。法曹コースに少しでも興味がある1年次生は、ぜひ参加して下さい。
法曹コースに登録している2年次、3年次、4年次生は、年度初めに実施する「法曹コース学年別ガイダンス」に参加して、法曹コースについての最新の情報を入手するようにしてください。